まちのおくすりやさん 有限会社みま薬局

女性の悩みに効く漢方

冷え性

中医学の基本概念である陰陽論では、女性は冷えやすい「陰」と考えます。冷やす食べ物を好んだり薄着をしたり、また月経により血の不足が起きやすくなり血の不調による疾患が多くなります。


①月経痛・下腹部痛

やせ形で貧血ぎみ、冷えにより月経痛や下腹部痛、肩こり、疲れやすいなどの症状があらわれます。からだを温め血の巡りをよくする漢方が適しています。

≪よく使われる生薬≫

当帰(とうき) 桂皮(けいひ) 生姜(しょうきょう) 大棗(たいそう) 甘草(かんぞう) 呉茱萸(ごしゅゆ) 細辛(さいしん) など


②むくみ・手足の冷え

腎と脾(胃)が弱っているとむくみやすく、手足が冷えるなどの症状があらわれます。腎と脾(胃)の両方の働きをよくし、体内の水を調整し冷えを改善する漢方が適しています。

≪よく使われる生薬≫

人参(にんじん) 白朮(びゃくじゅつ) 茯苓(ぶくりょう) 当帰(とうき) 甘草(かんぞう) 生姜(しょうきょう) 酸棗仁(さんそうにん) 黄耆(おうぎ) など


③貧血・顔のくすみ

血虚(血の不足)により月経不順、皮膚乾燥、動悸、目の疲れなどの症状があらわれます。また瘀血(血の巡りがよくない)では目の下のくま、顔のくすみなどがあらわれます。血の不調(血不足・血の巡りがよくない)を補い改善する漢方が適しています。

≪よく使われる生薬≫

人参(にんじん) 白朮(びゃくじゅつ) 茯苓(ぶくりょう) 当帰(とうき) 甘草(かんぞう) 生姜(しょうきょう) 酸棗仁(さんそうにん) 黄耆(おうぎ) など

月経前症候群(PMS)

気の滞り、気の不足、血の巡りが悪い、経血が黒っぽい、月経不順など気滞・気虚・血虚・瘀血の4つのタイプに分かれます。


①イライラして疲れやすい

月経前にイライラしたり(気の滞り)、気分の落ち込み、だるさ、疲れ、むくみなどの症状があらわれます。気の流れを良くし気血不足を改善する漢方が適しています。

≪よく使われる生薬≫

当帰(とうき) 芍薬(しゃくやく) 白朮(びゃくじゅつ) 茯苓(ぶくりょう) 柴胡(さいこ) 甘草(かんぞう) 牡丹皮(ぼたんぴ) 黄耆(おうぎ) など


②経血量が少ない、月経不順 

血の不足によりおこります。血を補うと腸も潤い便秘が改善されます。血を補い巡りを改善する漢方が適しています。

≪よく使われる生薬≫

当帰(とうき) 川芎(せんきゅう) 芍薬(しゃくやく) 茯苓(ぶくりょう) 白朮(びゃくじゅつ) 沢瀉(たくしゃく) 半夏(はんげ) 生姜(しょうきょう) など


③下腹部痛、頭痛、のぼせ

血の流れが滞り下腹部に痛みが生じ頭痛がおこります。また、のぼせや便秘がおこります。気の流れを良くし血の巡りを改善する漢方が適しています。

≪よく使われる生薬≫

桂枝(けいし) 茯苓(ぶくりょう) 牡丹皮(ぼたんぴ) 桃仁(とうにん) 芍薬(しゃくやく) 大黄(だいおう) 甘草(かんぞう) など

女性の不妊

気血の巡りが悪くなると、ホルモンバランスが崩れ、月経のリズムが乱れ、排卵障害が起こり不妊へとつながることが多いです。ホルモンバランスや卵胞の成長は、腎がコントロールしていると考えます。腎の中には精というものが蓄えられ、血は精から生じると考えます。腎の低下による不妊が多くみられます。腎の働きを充実させ卵胞の働きを高め、妊娠しやすい体に導くことが大切です。周期療法により卵子と子宮内膜を元気にさせる漢方があります。


①手足や下腹部の冷え

手足や下腹部の冷え、月経周期が長期化、下肢がむくむことがあります。からだを温め冷え症状を改善する漢方が適しています。

≪よく使われる生薬≫

当帰(とうき) 芍薬(しゃくやく) 人参(にんじん) 阿膠(あきょう) 甘草(かんぞう) 生姜(しょうきょう) 川芎(せんきゅう) など


②爪が割れる、目がかすむ

爪が割れたり、寝汗、立ちくらみ、手足の裏の発汗、経血量が少ないなどの症状があります。水と血が不足している症状を改善する漢方が適しています。

≪よく使われる生薬≫

当帰(とうき) 川芎(せんきゅう) 芍薬(しゃくやく) 地黄(じおう) 人参(にんじん) 白朮(びゃくじゅつ) 茯苓(ぶくりょう) 酸棗仁(さんそうにん) など


③倦怠感、むくみ

からだを動かすのがおっくう、舌が大きく舌の苔が厚い、むくみや倦怠感があります。余分な水が溜まっていたり、水の停滞を改善する漢方が適しています。

≪よく使われる生薬≫

半夏(はんげ) 茯苓(ぶくりょう) 陳皮(ちんぴ) 生姜(しょうが) 甘草(かんぞう) 蒼朮(そうじゅつ) 厚朴(こうぼく) 大棗(たいそう) など

肥満

便秘、水太り、下痢、全身が冷えるなどのタイプに分けられます。体質に合わないと効果がみられません。体質に合った漢方薬を用いましよう。


①食欲旺盛、冷え、むくみ

食欲が旺盛で便秘する方は、胃にこもった熱を冷まし排便を促します。冷えやむくみがある方は、からだの水の巡りを良くします。

≪よく使われる生薬≫

防已(ぼうい) 黄耆(おうぎ) 白朮(びゃくじゅつ) 大棗(たいそう) 甘草(かんぞう) 生姜(しょうきょう) 当帰(とうき) 芍薬(しゃくやく) など


②食欲不振、軟便、下痢

胃腸が弱く太っている方は、飲食物の消化吸収がスムーズにいかないため余分な水がたまりやすくなります。胃腸の働きから治していく必要があります。

≪よく使われる生薬≫

人参(にんじん) 白朮(びゃくじゅつ) 茯苓(ぶくりょう) 甘草(かんぞう) 大棗(たいそう) 桔梗(ききょう) 扁豆(へんず) など


③全身の冷え、むくみ

加齢により弱くなった腎と胃腸を温め、胃に留まった飲食物を腸に運びやすくし、血の巡りを良くすることにより肥満を解消します。

≪よく使われる生薬≫

茯苓(ぶくりょう) 芍薬(しゃくやく) 白朮(びゃくじゅつ) 桂枝(けいし) 甘草(かんぞう) 生姜(しょうきょう) 附子(ぶし) など

更年期症候群

加齢による変化により、からだを潤す水分が不足して熱くなったりまた、からだを温める力が弱く冷えて疲れやすくなったり、更年期の諸症状を改善します。


①のぼせ、手足のほてり

血の巡りが悪くからだを潤す水分の不足で、頭痛・肩こり・のぼせほてり・寝汗などがみられます。

≪よく使われる生薬≫

桂枝(けいし) 茯苓(ぶくりょう) 牡丹皮(ぼたんぴ) 桃仁(とうにん) 芍薬(しゃくやく) 地黄(じおう) 山茱萸(さんしゅゆ) 沢瀉(たくしゃ) など


②冷え、疲れ、腰が痛い 

からだを温める力が弱いため、冷え・疲れやすい・脚や膝、腰が痛いトイレが近い等の症状がみられます。

≪よく使われる生薬≫

地黄(じおう) 山茱萸(さんしゅゆ) 沢瀉(たくしゃ) 茯苓(ぶくりょう) 牡丹皮(ぼたんぴ) 桂枝(けいし) 附子(ぶし) など


③喉の詰まり、イライラ

気の巡りが悪いと、めまい・耳鳴り・イライラ・喉が詰まるなどの症状がみられます。

≪よく使われる生薬≫

当帰(とうき) 芍薬(しゃくやく) 白朮(びゃくじゅつ) 茯苓(ぶくりょう) 半夏(はんげ) 厚朴(こうぼく) 甘草(かんぞう) 生姜(しょうきょう) など

漢方元気便コラム